伝統の技・魂の継承―京都から助産師の発信―
(公社)日本助産師会岡本喜代子会長のメッセージ
風薫る5月の爽やかな季節に、平成27年度公益社団法人日本助産師会通常総会及び第71回日本助産師学会が千年の古都のみやこ、京都で開催できますことを、大変嬉しく思います。京都での総会開催は、79年ぶりの2回目になります。
本年度の学会のメインテーマは京都ならではの「伝統の技・魂の継承―京都からの助産師の発信―」です。
千年の歴史の重みを持つ京都から伝統の技・魂の継承の重要性をご提案いただいています。伝統の重みと助産師の未来への新たな活動への熱い情熱と挑戦への意気込みが、グローバルな視点も一杯盛り込まれた充実したプログラムになっております。
特別講演1は、立命館大学国際関係学部の桂良太郎教授の「助産師のゆめ・ゆとり・ゆうき!」です。桂先生は、家族社会学に造詣が深く、長く助産師教育にも携わり、助産師への理解が深く、助産師にエールを送り続けて下さっている先生です。また、ベトナムのベトちゃん、ドクちゃんの支援をはじめ、アジアの若者達への支援、教育、母子や高齢者の支援活動を展開し国際的に活躍されています。
特別講演2は、佛教大学保健医療技術学部看護学科日隅ふみ子教授の「進化し続ける産婆DNAの継承〜女性に求められる助産師を目指して〜」です。諸外国の助産師活動・教育の実状にも詳しい先生からのメッセージが楽しみです。
一般公開講演1は、京都府福知山市三和町大原神社林秀俊宮司の「美しき命の源流“うぶやの里 大原”のお話を伺います。現在に“うぶや ”が残っている大原のうぶやの伝統の先人の知恵をお話いただきます。
一般公開講演2は、90歳の現役超ベテラン開業助産師坂本フジエ先生からの「生きるとは」というテーマで熱いメッセージを語っていただきます。後輩助産師だけでなく、全ての人に向けたいのちの智恵の伝承のお話をいただきます。
激動の天変地異、社会の変化、価値観の多様化、グローバル化し、多様なニーズに対応し、さらにより質の高い助産サービスの提供を目指して、今こそ求められる助産の力について、助産師からの熱いメッセージが投げかけられることでしょう。
また、一般演題では、日ごろから全国の助産師が頑張っている助産師活動の成果を口演、ポスターセッション共、ご発表いただきます。
開催にご尽力頂きました京都府助産師会の三反園会長様をはじめ、学会準備委員の皆様に、心から感謝申し上げます。会員の皆様の活発なご参加・交流により、学び多い学会になりますことを願っています。
(公社)京都府助産師会三反園芳子会長のメッセージ
平成27年度の公益社団法人日本助産師会通常総会ならびに第71回日本助産師学会を京都府で開催することとなりました。
記録によると昭和11年(1936年)、日本助産師会の前身 日本産婆会 第9回総会が京都帝国大学で、全国から三千人の産婆会員が出席し盛大に開催され、京都での開催は実に79年ぶりとなります。
日本助産師学会は平成27年度から(公社)日本助産師会主催の公益事業として開催されることとなります。(公社)京都府助産師会は、日本助産師会の公益事業として初めての学会を担当することとなり、「伝統の技・魂の継承―京都から 助産師の発信―」をテーマに、日本助産師会と相談をしながら準備を進めています。
京都府助産師会は、平成27年に創立110周年を迎えます。先の大戦では幸い戦火を免れ、助産業務に関する貴重な資料が残されています。学会ではそれらを展示し、先輩の諸先生方の活動の様子を皆様とともに振り返る機会にしたいと思います。また、全国の会員の皆様には助産師の現状と課題・今後の展望を、ぜひ研究発表していただき、ともに語り合える日になればと思います。
KYOTOは、今年の米国旅行雑誌「トラベル+レジャー」誌の人気投票で、観光都市世界一位にランクされました。海外の観光客もずいぶん増えています。学会の後は世界中の観光客の皆様とともに、新緑の京都でリフレッシュしていただければ幸いです。
平成27年5月、皆様のお越しを心よりお待ちしております。